2004年欧州選手権 観戦情報
2004欧州選手権は伏兵ギリシャが開催国ポルトガルを1-0でやぶり初優勝を飾りました。イングランドのサポーターの暴動やイタリアトッティーのつば吐き事件等いろいろとあった大会もこれで終了です。次回4年後にまた素晴らしい大会はお預けです。
◎2008年欧州選手権トピックス
2008年の欧州選手権は、オーストリアとスイスの共同開催となることが決定したようです。欧州サッカー連盟-UEFAがウイーンでオーストリア、スイスの両国サッカー協会と合意したようです。欧州選手権-ユーロ2008はウィーンやオーストリア国内の4都市に加えスイス国内の4都市で行われる予定です。オーストリアは、2004年の欧州選手権にもハンガリーとの共同開催で立候補しましたがポルトガルに僅差で敗れ、今回悲願のユーロ開催にこぎつけた訳です。
CAT-1=サイドライン CAT-2=コーナー・ゴール裏UPPER CAT-3=ゴール裏LOWER
●ユーロ2004 観戦記
ユーロを観にポルトガルへ行ってきました。今回利用したのはKLMオランダ航空でした。この時期ユーロに加えて観光客も多くどの便、航空会社を選んでも満席。スイス航空等と併せてウエイティングの末にやっとコンファームした便でした。東京からはアムステルダムまで往路で約12時間。そこから乗り換え便の出発まで5時間待ち。そして3時間のフライトとユーロの為とは言え、流石に疲労困憊の一日でした。
落ち着いた佇まいのリスボン市内
欧州でも最も行き難く且つホテルが少ないため宿泊事情の悪さは前評判通りで、宿無しの旅行者が溢れていました。そのためか日本人の方を目にする頻度は少なく、その大半は若い方でした。暑いと聞いていましたが比較的湿度は低く、夕方からふく風も心地よいリスボンですから夕方からの観戦にも最適で過ごしやすかったです。現地ではタクシーや自家用車の多くは大会を盛り上げるように自国の国旗を掲げ街全体がユーロ一色でした。これに各国のサポーターが入り交じり大変な熱気となっていました。そんななかでも特筆に価するのはやっぱりイングランドサポーターでした。日本でも報道されたようにファンの一部が暴徒化し各地で機動隊と衝突したとポルトガルのテレビも連日、連夜放送していました。ブレア首相はこれを英国の恥とコメントしていましたが、事実リスボンでのイングランドサポーターは朝からビールを飲み(他国のサポーターも同じなのですがイングランドサポーターはとにかく数が非常に多い)気勢を上げる姿が見られました。リスボンではちょうど大きなお祭りと重なり、今回のユーロが開催されたため、街への人出も通常の数倍の多さとなり、またイングランド対フランスが行われた前日をピークにイングランドサポーターも集結したため、ショットガンを持つ機動隊も出動しての大混乱もあったようです。イングランドだけでなく、朝からビールを大量に飲んで気勢を上げる各国サポーターの姿は地元ポルトガルでも特にサッカーに興味のない人たちにとっては迷惑な話のようで、眉をひそめながら早く大会が終わって欲しいと言っていたのは逆に印象的でした。フーリガンでない人たちでもこの騒ぎですからいわゆる本当のフーリガンの騒ぎって一体どんな感じなの?これの何倍も凄いのと?と思えば背筋がぞっとしました。
1次予選Aグループ
06/12 |
ポルトガル |
1−2 |
ギリシャ |
|
スペイン |
1−0 |
ロシア |
06/16 |
ギリシャ |
1−1 |
スペイン |
|
ロシア |
0−2 |
ポルトガル |
06/20 |
スペイン |
0−1 |
ポルトガル |
|
ロシア |
2−1 |
ギリシャ |
試合前に気勢を上げるサポーター達
1次予選Bグループ
06/13 |
スイス |
0−0 |
クロアチア |
|
フランス |
2−1 |
イングランド |
06/17 |
イングランド |
3−0 |
スイス |
|
クロアチア |
2−2 |
フランス |
06/21 |
クロアチア |
2−4 |
イングランド |
|
スイス |
1−3 |
フランス |
余りの熱気に手ぶれした、スウエーデンサポーター一色の予選
1次予選Cグループ
06/14 |
デンマーク |
0−0 |
イタリア |
|
スウェーデン |
5−0 |
ブルガリア |
06/18 |
ブルガリア |
0−2 |
デンマーク |
|
イタリア |
1−1 |
スウェーデン |
06/22 |
イタリア |
2−1 |
ブルガリア |
|
デンマーク |
2−2 |
スウェーデン |
1次予選Dグループ
06/15 |
ドイツ |
1−1 |
オランダ |
|
チェコ |
2−1 |
ラトビア |
06/19 |
ラトビア |
0−0 |
ドイツ |
|
オランダ |
2−3 |
チェコ |
06/23 |
オランダ |
3−0 |
ラトビア |
|
ドイツ |
1−2 |
チェコ |
予選を何試合か観戦しましたが、どの試合も高額な席ほど空席があり、逆にゴール裏は各国のサポーター達で熱気むんむんといった感じです。所謂サポーター向けのFMT-フォローマイチケットでの観戦であればゴール裏でも一か所に固まった観戦が出来ますが、それ以外は2つのチームのサポーターが入り乱れての応援となるために多少の小競り合いがある場合もあったようです。またスタジアムの開門前には各サポーターたちがスタジアム近くで太鼓やどらで気勢を上げている姿も多く見られました。ユーロ予選では熱戦が繰り広げられ、番狂わせもあり非常に面白い試合が続出しました。そしてベスト4の決定。イタリア、ドイツが予選敗退し、フランス、イングランドも準々決勝で敗れるなど波瀾の多い(実力が伯仲した)戦いとなりました。ポルトガル、ギリシャ、オランダ、チェコの4強が準決勝で戦いました。
ホセアルバラーデ正面玄関
さてリスボンにはルスとホセアルバラーデの2つのスタジアムが今回のユーロに使用されています。いずれのスタジアムも地下鉄の駅から近く、また市内中心にあるため行きやすい場所にあるのが特徴です。アルバラーデはカンポグランデの駅前、本当に目の前にあるといった感じです。ポルトガルリーグ、スポルディングの本拠地でスタジアム内にはこのスポルディングのオフィシャルストアがあります。ポルトガルの物価の安さもあり意外に安く、お土産としてもお勧めです。もう一つのルスはコレシオミリタールの駅よりこちらも数分に位置しています。駅を降りるとイベリア半島最大と言われるショッピングセンターのセントロ・コロンボもあり多くの人でごったがえしています。ルスもポルトガルリーグ・ベンフィカの新本拠地になっていますが、こちらのスタジアムはリスボンでの初試合、そして決勝が行われるという事でテロへの厳重な警戒もあり、敷地内さえも入る事が出来ない状態でした。イングランド対フランスが行われる当日にもスタジアムへ行きましたが、チケットを持たないサポーターが佇む事すら出来ない程の警備で結局最後までこのスタジアムを間近かで見る事さえ出来ませんでした。そんな厳重な警備のなか行われる決勝戦ですから逆に安心して観戦出来ると言っていいのかもしれません。開催国ポルトガルが決勝へ勝ち進むのかそれともオランダか。優勝候補と言われ苦戦しらずで勝ち進んできたチェコはどうなのか。
決勝戦が行われるため厳戒体勢で近付けなかったルススタジアム
準々決勝
06/24 |
ポルトガル |
2−2
PK6−5 |
イングランド |
06/25 |
フランス |
0−1 |
ギリシャ |
06/26 |
スウェーデン |
0−0
PK4−5 |
オランダ |
06/27 |
チェコ |
3−0 |
デンマーク |
準決勝
06/30 |
ポルトガル |
2−1 |
オランダ |
07/01 |
ギリシャ |
1−0 |
チェコ |
●ユーロ2004決勝戦は
日本時間で今朝行われたユーロ決勝はギリシャが開催国ポルトガルを1対0で下し初優勝を飾りました。開幕戦ではギリシャの早い攻撃をかわすこが出来なかったポルトガルでしたが、決勝でもそのギリシャを突き崩す事は出来ませんでした。ギリシャはこの試合、後半12分に右コーナーキックをゴール前に詰めていたFWハリステアスが頭で押し込んで先制し、この1点を最後まで守り切りました。途中からダークホースと言われたギリシャでしたがその実力は本物です。ファン的には決勝はオランダ対チェコとかイングランド対イタリアといった夢の決勝を期待していましたが、新しく台頭したギリシャの実力を見れば欧州サッカーも新しい時代を迎えたのかもしれません。
決勝
リスボンで有名な路面電車も実は落書きだらけ